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うれしさを伝え合うように寄り添う夫婦。顔をクシャクシャにして笑
う赤ちゃん。楽しげに言葉を交わす母と娘。写真には、やわらかな光に
包まれた人々が小さな物語をつぶやくように、ふわりと浮かんでいます。
今回お訪ねしたのは、こんなやさしい写真をたくさん撮っているタケ
ウチヤスヒロさん。フィルムで撮影するカメラマンさんです。あの奈良
の雑貨&カフェ「くるみの木」でのウェディング写真も担当されています
が、自宅を改装したスタジオでは、家族の日常にあるような何気ない表
情を撮影して、素敵なアルバムにつづってくれます。いったいどんな場
所で撮影されているのでしょう。 |
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ある晴れた秋の日、京都・長岡天神にあるアトリエ・スタジオ「スツール」へ。ヤスヒロさんと奥さまのカヨさんに招
かれて、さっそくスタジオにお邪魔すると、そこは太陽の光がさんさんと降り注ぐとても気持のいい空間でした。「こ
こ、自転車置き場だったんですよ」と笑うお二人。実はコンクリート敷き&トタン屋根の駐輪スペースを改装していた
のです。大工さんの友人が手伝ってくれた板張りの床、お二人が塗った壁、ガラス窓やドアもお気に入りのものを探し
当てて取り付けた、まさに手づくりのスタジオです。「ずっと式場やレストランなどでのウェディングの撮影をメイン
にやってきたのですが、6、7年経ったころから家族写真を撮ってみたいと思い出して…。ふだんのままの家族の素顔を
記録する、そんな写真っていいなって。それでスタジオが欲しくなったんです。自分の子どもを観察してリラックス
する雰囲気は何となくつかめていたので、こんな場所なら皆さんくつろいでくれるかなぁと」。 |
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上/アトリエに展示されているヤスヒロさん
の写真。月に10日前後アトリエを開放して
いる。(オープン日はホームページでチェッ
クを)
下/スタジオの一画には、レターセットなど
「スツール」のオリジナル商品を展示販売し
ているコーナーも。
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2006年、念願の撮影スタジオをオープンしたヤスヒロさんですが、
実はサラリーマンも10年ほど経験されています。カメラマンになった
きっかけは、奥さまに関係があるようです。それは、お二人自身の結
婚式にカヨさんが写真撮影をお願いした、あるカメラマンさんとの出
会いがはじまりでした。聞けばヤスヒロさん、その方の写真、仕事ぶ
り、そして人柄にノックアウト!? されてしまったとか。「見せていた
だいた写真が本当に素敵だったんです。お話するうちに考え方や生き
方にもすごく魅力を感じて…。同年代だったので衝撃でしたね。僕に
とってそのカメラマンさんは師匠です」。
自分で仕事をする、ということに興味は持っていながらも、これま
で具体的な行動には至らなかったというヤスヒロさん。しかしこのと
きは、出会った翌日に夢中で師匠と全く同じカメラを買いに行ったの
だとか。それからは、平日は会社、週末は撮影の日々。「わからないこ
とがあると師匠に電話してアドバイスをもらいましたが、学校などに
は行かずに独学で写真を学びました」。やがて、30歳を過ぎてはいた
ものの、意を決してカメラマンに転身。師匠と同じようにウェディン
グ写真を撮り続けてきたそうです。
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ヤスヒロさんの愛用カメラは、 80年代生まれの「キャノンF-1」。 フィルム写真にこだわる。 |
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ヤスヒロさんが撮影スタジオにこだわったのは「ふだんと変わらない家族の表情を撮れる環境を作りたい」ということ
と、もう一つ「どんな場所で、どんなふうに写真を撮るのか、お客さまにストレートに伝えたかった」から。スタジオが
ないうちは、打ち合わせも喫茶店などでしていたヤスヒロさん。確かにこのスタジオの空気にふれれば、ヤスヒロさん
の撮影スタイルや写真のイメージが、すっと自然に描けそうです。
さて、そんな思いのこもったスタジオですが、手づくりの内装もさることながら、家具ひとつひとつにもこだわりが
見えます。アンティーク調のいすやテーブル、さびや傷がアクセントになった古いスチールラックに書類棚。スタジオ
から続くアトリエにも、甘過ぎずほどよいユーズド感をまとった家具や小道具がすっきりと置かれ、まるでインテリア
ショップのよう。「男っぽい雰囲気ですが、実は彼女の見立てなんです」。そう、これはデザイン系の学校に通っていた
カヨさんのセンス。カヨさんは手仕事も得意で、「スツール」オリジナルの3つ折りアルバムも、デザインから仕上げまで
手掛けているのだとか。さすがは結婚式の写真にこだわり、素敵な師匠とヤスヒロさんを引き合わせた奥さまだけあり
ます!
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