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  last update.2009.1.5
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うれしあたらし、わが家の暮らし。
今までの常識や概念にとらわれることなく、自分たちの“気持ちいい ”に忠実に暮らす人たちのライフスタイルを取材するこのコーナー。そこにはさっぱりとした、満足そうな笑顔がたくさんありました。
FILE #19 ひだまりのような手づくりのスタジオ&暮らしの空間。
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自転車置き場を改装した 自作の撮影スタジオ。  
 うれしさを伝え合うように寄り添う夫婦。顔をクシャクシャにして笑
う赤ちゃん。楽しげに言葉を交わす母と娘。写真には、やわらかな光に
包まれた人々が小さな物語をつぶやくように、ふわりと浮かんでいます。
 今回お訪ねしたのは、こんなやさしい写真をたくさん撮っているタケ
ウチヤスヒロさん。フィルムで撮影するカメラマンさんです。あの奈良
の雑貨&カフェ「くるみの木」でのウェディング写真も担当されています
が、自宅を改装したスタジオでは、家族の日常にあるような何気ない表
情を撮影して、素敵なアルバムにつづってくれます。いったいどんな場
所で撮影されているのでしょう。
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 ある晴れた秋の日、京都・長岡天神にあるアトリエ・スタジオ「スツール」へ。ヤスヒロさんと奥さまのカヨさんに招
かれて、さっそくスタジオにお邪魔すると、そこは太陽の光がさんさんと降り注ぐとても気持のいい空間でした。「こ
こ、自転車置き場だったんですよ」と笑うお二人。実はコンクリート敷き&トタン屋根の駐輪スペースを改装していた
のです。大工さんの友人が手伝ってくれた板張りの床、お二人が塗った壁、ガラス窓やドアもお気に入りのものを探し
当てて取り付けた、まさに手づくりのスタジオです。「ずっと式場やレストランなどでのウェディングの撮影をメイン
にやってきたのですが、6、7年経ったころから家族写真を撮ってみたいと思い出して…。ふだんのままの家族の素顔を
記録する、そんな写真っていいなって。それでスタジオが欲しくなったんです。自分の子どもを観察してリラックス
する雰囲気は何となくつかめていたので、こんな場所なら皆さんくつろいでくれるかなぁと」。
会社員からカメラマンへ 30歳過ぎての思い切った転身。
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上/アトリエに展示されているヤスヒロさん
の写真。月に10日前後アトリエを開放して
いる。(オープン日はホームページでチェッ
クを)
下/スタジオの一画には、レターセットなど
「スツール」のオリジナル商品を展示販売し
ているコーナーも。

 2006年、念願の撮影スタジオをオープンしたヤスヒロさんですが、
実はサラリーマンも10年ほど経験されています。カメラマンになった
きっかけは、奥さまに関係があるようです。それは、お二人自身の結
婚式にカヨさんが写真撮影をお願いした、あるカメラマンさんとの出
会いがはじまりでした。聞けばヤスヒロさん、その方の写真、仕事ぶ
り、そして人柄にノックアウト!? されてしまったとか。「見せていた
だいた写真が本当に素敵だったんです。お話するうちに考え方や生き
方にもすごく魅力を感じて…。同年代だったので衝撃でしたね。僕に
とってそのカメラマンさんは師匠です」。
 自分で仕事をする、ということに興味は持っていながらも、これま
で具体的な行動には至らなかったというヤスヒロさん。しかしこのと
きは、出会った翌日に夢中で師匠と全く同じカメラを買いに行ったの
だとか。それからは、平日は会社、週末は撮影の日々。「わからないこ
とがあると師匠に電話してアドバイスをもらいましたが、学校などに
は行かずに独学で写真を学びました」。やがて、30歳を過ぎてはいた
ものの、意を決してカメラマンに転身。師匠と同じようにウェディン
グ写真を撮り続けてきたそうです。

ヤスヒロさんの愛用カメラは、
80年代生まれの「キャノンF-1」。
フィルム写真にこだわる。

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インテリアショップのような スタジオ&アトリエ。
 ヤスヒロさんが撮影スタジオにこだわったのは「ふだんと変わらない家族の表情を撮れる環境を作りたい」ということ
と、もう一つ「どんな場所で、どんなふうに写真を撮るのか、お客さまにストレートに伝えたかった」から。スタジオが
ないうちは、打ち合わせも喫茶店などでしていたヤスヒロさん。確かにこのスタジオの空気にふれれば、ヤスヒロさん
の撮影スタイルや写真のイメージが、すっと自然に描けそうです。
 さて、そんな思いのこもったスタジオですが、手づくりの内装もさることながら、家具ひとつひとつにもこだわりが
見えます。アンティーク調のいすやテーブル、さびや傷がアクセントになった古いスチールラックに書類棚。スタジオ
から続くアトリエにも、甘過ぎずほどよいユーズド感をまとった家具や小道具がすっきりと置かれ、まるでインテリア
ショップのよう。「男っぽい雰囲気ですが、実は彼女の見立てなんです」。そう、これはデザイン系の学校に通っていた
カヨさんのセンス。カヨさんは手仕事も得意で、「スツール」オリジナルの3つ折りアルバムも、デザインから仕上げまで
手掛けているのだとか。さすがは結婚式の写真にこだわり、素敵な師匠とヤスヒロさんを引き合わせた奥さまだけあり
ます!
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ヤスヒロさんの仕事机は、拾ってきた鉄の脚に天板
をのせたオリジナル! カヨさんのおじいさまから譲り
受けたレトロなチェアともしっくりなじんでいる。

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  古くても、手づくりでも 心地いいものを取り入れる。
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「祖父母と趣味がぴったり」
というカヨさんのお気に入り
のソファ。

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おばあさまから受け継いだ
年代物の冷蔵庫には、小さ
な花びんをちょこんとのせ
て。キッチンの隅っこにも
カヨさんの遊び心が。

…となれば、住居スペースにも興味がわいてくるというもので、急遽カヨさんにお許しを
いただき、リビングやキッチンへ案内していただきました!
 木、布、土、ガラス…。そこには、プラスティックのものが見当たりません。「この黄色
いソファや木の引き出しは、祖父の使っていたものなんです」とカヨさん。食器棚やレコード
プレーヤー、小さな冷蔵庫なども、おじいさま&おばあさまの愛用品を譲り受けたのだとか。
「きっと私の趣味が似ているのでしょうね。とても気に入ってます」。
 朽ちた木やさびた鉄など、味のある素材が好みのカヨさん。新しい木目もわざわざ塗料を
布で塗り込んだりして、古びた渋い風合いに変えるそうです。「高価なアンティークを買い
集めた、ということではないんです。使わないものをもらってきたり、自分たちで作ったり。
廃品をリメイクしたりもしますね」。建築現場の足場だった板で作った棚、拾ったアイアンを
塗り直したラック、どれもお店で販売されていてもおかしくないできばえに驚きです。

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大阪の家具店で気に入って購入した木のげた箱。
上にさりげなく飾ってあるのは、拾ってきたア
イアンを塗り直したお手製のブックラック。

キッチンの棚はカヨさんが友人と一緒に
廃材を利用して作ったもの。かごやびんを
使った収納にもカヨさんのセンスがキラリ!

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暮らしを大切にしたいから 選ぶときは真剣勝負。  

 「お金もかからないし、作るのは楽しい」そう笑うカヨさんですが、いざ購入
となると、かなりしっかりと吟味するそう。デザインがいいこと、長く使えそ
うなこと、これがもの選びの基準。なるほど気に入って購入したと教えてくれ
たものたちは、家具も小物もシンプルで使いやすそうな、あたたかみのあるも
のばかり。しかも、お古や手づくりのものと一緒に並べても嫌みのない統一感
が部屋にはちゃんと息づいています。ひとつひとつのカヨさんの真剣なセレク
トが、この心地よさにつながっているのかもしれません。「どうしても気に入
ったものが見つからないときは、辛抱して出会うまで待つことにしているんで
す。そうそう、実はこの家も2年半探したんですよ」と、ヤスヒロさんと苦笑
い。日当たりがよく、平屋で、庭があることを条件に探し続け、やっと出会っ
たのが築40年のこの家だったそうです。

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スタジオの奥のドアを開けると、
リビングルームの前庭に通じる。

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時間をかけて作り上げた ひだまりのような場所から・・・。   
 家探しからはじまり、じっくりと時間をかけて、自分たちらしい仕事
場と住まいを手に入れたタケウチさん夫妻。二人で知恵を絞り、楽しみ
ながら手を動かし、ていねいに作り上げてきたからこそ、今この空間は、
誰が訪れてもほっと心がほぐれる、日だまりのような心地よさがあるの
かもしれません。そしてこのやさしい場所は、いつ開いて眺めてもあた
たかい気持ちを運んでくれる、そう、お二人が真心を込めてひとつひと
つ作る写真アルバムそのもののような気がします。
 ヤスヒロさんのカメラ講習会をはじめ、カヨさんが集めている絵本の
展示会や古本市など、撮影にとどまらずさまざまに、スタジオ&アトリ
エを活用しているというお二人。まだまだこの場所から楽しいことをど
んどん発信されるような、そんな予感がします。
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「石橋をたたいて渡るタイプ」という慎重派のカヨさ
んと、「僕は石橋を作りながら渡っちゃう!」と笑う
ヤスヒロさん。日々の暮らしのことも仕事のことも、お互いによく話をするという。

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ヤスヒロさんが手づくりした本棚。
ここには二人の子どもたちも愛読していた絵本がぎっしり。
「いずれは、スタジオで読み聞かせのイベントを開きたい」と、
絵本好きのカヨさんは夢をあたためている。

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カヨさんがクロスばりから革貫きまで手掛けた3つ折りアルバム
『MOUNT ALBUM 03』。ヤスヒロさんのやさしい写真が
しっくりなじむ素朴な風合いは、お客さんにも好評だとか。

IMAGE STU:L(スツール)
カメラマンのタケウチヤスヒロさんと、
オリジナル製品を手掛ける奥さまのカヨさんのアトリエ&スタジオ。
家族の何気ない瞬間を80年代の古いフィルムカメラで撮影、
生写真を手貼りして素敵なアルバムに仕立ててくれる。
http://www.stul.jp















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